「でも空き巣なら警察に……」

「私もそう思って、警察に連絡しようとしました!でも、犯人は……分かってたんです」

「というと?」

「……私の家の合鍵を持ってる人は、須藤舞……。私の親友だけなんです」

葵が身体を震わせた。

詩音が「大丈夫」と背中をさする。

「それで?盗まれたものは?」

「お金……。今度、温泉に皆で行こうって話になってて……。貯金してました。10万円……」

「大金ですね。それを盗まれた。……でもその親友が本当に盗んだという証拠は?」

叶亜があごをさすりながら言う。