きっと全員がこの裏口を見逃し、あの死闘に参戦しているんだろう。

光はこの死闘の間に詩音を連れて逃げるって算段だ。

「よしっ。誰もいないな。」

倉庫を出ようとする光に思わず声をあげる。

「……仲間が闘ってるのに逃げるの!?」

たまらず聞くと、光は詩音の腕をさらに強く引っ張った。

「ああ!そうだよ!なんか文句あるか!」

文句とか言う問題じゃない。

「仲間置いて逃げるなんて……どこまで最低なのよ!」

「うるせぇ!!人質のくせに生意気なこと言うんじゃねぇ!!」

ナイフを首筋に突きつけられる。