「葵さんが突き飛ばしたとき、彼女はまだ死んでなかった。気絶してただけですよ。その後、彼女は電話であなたを呼んだ」

「ん?ちょっと待てよ。目撃証言によると、舞さんの家に入ったのは葵さんが最後だったんだぞ?」

阿部が口を挟むと、叶亜は「そうですが」と周りにいる暴走族の男たちを見回した。

「これだけの人数がいるんです。彼の仲間が嘘の証言をしたっておかしくないでしょ?」

「な、なるほど……」

どちらにせよ、こいつらは光の犯行を知ってたわけだ。

事情を聞かなきゃな。

阿部は威嚇のつもりで、男たちをにらんだ。