叶亜も相当怒ってるんだろう。

彼女が死に物狂いで働いてもらった金を、遊びに使ったんだから。

「……事件の2日前。あなたは即急に10万円を手に入れなきゃいけなかった。きっと、何かの取引に必要だったんだろ。彼女に電話したが、彼女は『10万円はない』と言った。何とか頼み込んだが、彼女から『今は用意できない』とかなんとか言われ、あなたは葵さんの家から……10万円を盗んだ……」

「えっ!?光が!?」

初めて葵が声をあげた。

だがすぐに叶亜をみる。

「でも言ったわよね?合鍵を持ってるのは舞だけって……」

「……っとにバッカだなぁ!!鍵は管理人にそれっぽい理由つけとけば、いつでも入手可能だ!」

イラついた口調で葵に向かって言う。

その姿に先ほどまで冷静に推理をしていた面影はない。