叶亜の今まで聞いたことがないような、張り上げた声が倉庫に響く。

「山崎光……あなたですよね?須藤舞を殺したのは……」

「……はぁ?何言ってやがる。」

男たちの奥から出てきたのは、ナイフを詩音に突きつけている光。

「須藤舞。知らないなんて言いませんよね?あなたの恋人ですよ」

「……さぁ。なんだよ、これ。推理ショー?」

光が呆れたように顔をしかめる。

叶亜はいつもの余裕の笑みで、後ろを振り返った。

「そろそろ出てきたらどうですか?……遠山葵さん?」

ゆっくりと倉庫の中に一人の人物が入ってきた。

傘をさし、悲しそうに目を伏せている葵。