綾華はエンジンをかけると、阿部にむかって叫んだ。

「そこ!どいて!!突っ込むから!!」

「や、やめろっ!!それ、俺の車だぞっ!?」

しかし、その叫びは綾華には聞こえてないのか、車が思いきりシャッターに突っ込んだ。

シャッターはへこみ、大きな音をたてて倒れた。

車のフロントガラスは蜘蛛の巣のようにひびがはいっている。

倉庫の中には、たくさんの男たちと倒れている詩音の姿があった。

「なんだ!お前ら!」

男たちがゾロゾロと近づいてきた。

その手には、木刀やバッドが握られている。

「……物騒なもの持ってやがるな。俺は警察だ!!お前たちを捕まえにきた!」

「へぇ?俺たちが何したって言うんだよ?何も悪いことしてねぇぜ?」

「とんだ茶番だな。」

叶亜が阿部の前に出てきた。