部屋に重い沈黙が流れた、そのときだった。

ピリリ……。

携帯電話の着信音が鳴った。

叶亜がポケットから携帯電話を取りだし、通話ボタンを押す。

「……Oh? Was something wrong?」

流暢な英語で話す叶亜。

相手は謎の少女、エルだろう。

一言二言話すと、叶亜の顔がだんだんと強張っていく。

そして、携帯電話を投げ出し、部屋の本棚を漁りはじめた。

「お、おい!叶亜!?」

「何してるの!?」

突然の行動に阿部と綾華は顔を見合わせる。