「Thank you. Worry…. But because it is all right.」
(ありがとう。心配してくれて…。でも大丈夫だから。)

それでもエルの表情は悲しい。

今にも泣き出しそうな顔だ。

優しく濡れた髪を撫でる。

「Because the L saws a cold, be in a university.」
(エルちゃんは風邪ひいちゃうから、大学の中にいて。)

それだけ言うと、詩音は上着を脱いでエルに着せた。

「……See you.」
(……じゃあね。)

詩音はアスファルトを蹴り、走り出した。

怖いけど、私が行かなきゃ。

舞を、葵を、こんな目に遇わせた……。

「絶対許さないから……」

肌にあたる雨がやけに強く感じた。


詩音が行ってしまうと、エルはポケットからイヤホンを取り出した。

それを耳にはめる。

「……Me. She is critical」
(……私よ。彼女が危ない)