私一人だけで確かめにいこう。

私の推理が合ってたら、叶亜たちを呼べばいい。

確かめるだけ……。

詩音が走って駐車場を出ようとしたとき、服の袖をエルに掴まれた。

エルは雨に濡れ、髪も服もびしょびしょだ。

「Do not go! You must not go!」
(行かないで!行っちゃダメ!)

強く叩きつける雨の音に負けないくらいの大きな声で、エルが詩音に訴えた。 

エルは人の心とシンクロできる。

きっと詩音のしようとしてることが、分かっているのだ。

詩音はしゃがみ、エルと視線を同じ高さに合わせた。