詩音はエレベーターを待っていた。

昼食を食べ終え、午後の講義に出ようかと思ったが、舞の残したダイイング・メッセージが引っ掛かって、講義どころではない。

午後の講義は休むことにした。

理由は「体調不良」。

仮病を使うのは高校の補修のとき以来だ。

エレベーターが到着し、扉が開く。

既にエレベーターには、一人の人物がのっていた。

その人物をみて、詩音は驚きの声をあげてしまう。

「エルちゃんじゃない!」

サラサラのブロンドの髪に、大きなくりっとした瞳。