叶亜は腕を組んで、唇を何度も舐めている。
「……なんか、スッキリしないんですよ。この事件そのものが……」
「スッキリしないって、どういうことだ?」
「それが分かってたら苦労しませんよ」
叶亜に睨まれ、阿部はおずおずと引き下がる。
信号が青に変わり、再び車が走り出す。
「探偵が何言ってるのよ。それで事件が解決できたら、私達警察はいらないわね」
火に油を注ぐような形で、綾華が叶亜に向かって言った。
案の定、叶亜はイラついた様子で綾華をにらむ。
険悪なムードのまま、車は舞の家に到着した。
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