詩音の中で何かがゆっくり繋がる。
「……葵、今の電話……」
「光からよ。ほら、幼馴染みだからさ!」
たしかに葵と舞と光は幼馴染みだ。
前にあった噂では、その三人は三角関係だったといわれている。
「……もしかして」
その先の言葉を言うのが怖かった。
でも言わなければ、真実をこの手で消してしまうかもしれない。
詩音は嫌われるのを覚悟で聞いてみた。
「その人と……浮気してるの?」
お願い。違うって言って。
心の中で祈る。
だけど、返ってきた言葉は違うものだった。
「そうだよ。浮気してるの。それも、大分前から」
けろっとした顔で答える葵。