ぞっと背筋に寒気がはしる。
「うぎゃああああ!!!!」
「ははははははっ!!!」
大笑いしながら叶亜がムカデを掴んだ。
「おもちゃですよ。」
「お前っ!ハメたな」
「ハマる方が悪いんですよ」
肩をすくめながら笑う叶亜にイラッとくる。
阿部の驚く姿をみるのが楽しくてたまらないのだ。
「このやろ……」
舌打ちをして棚をもう一度探そうとすると、叶亜が「言い忘れてましたけど」と阿部をみた。
その手には、一冊のファイル。
「さっき見つけましたので。もういいですよ」
そうか!!こいつ!!
俺をハメるためだけにファイルを見つけたことを内緒にしてたのか!!