その日は1日中少年は少女に睨まれていた。

はじめは稲葉を睨んでいたのだか、同じ列の1番うしろにいるから睨みにくい。
さらに、うしろを向いていると先生に怒られる。 それで俺を睨み始めた。

給食の時間はとなり同士が向き合って食べる。

少年はずっと睨まれているのが辛くなり少女に話しかけた。

「お前さ、そんなに稲葉が嫌いなのか?あいついい奴だぞ。」

「そんなことわかってるよ。」

少女はそう言うと睨むのをやめ、もくもくと給食を食べ始めた。

「なあ、並木。」

「なに?」

少女は少年の目を見る。今度は睨んではいない。
「わかってるならもう少し優しくしてやれよ。相原のことを想ってやってるつもりかも知れないけど、相原だって彼氏との時間を邪魔されたら嫌だと思うぞ。」

少年の言葉を聞くと少女は悲しそうな顔をした。合っていた目線が合わなくなる。少女は涙目になり下を向く。


やばい言い過ぎたか?

少年は少女の様子を見て慌てる。
「あ、その、ご…」

少年が喋っているのを無視して少女は食器を片付けに行ってしまった。席に戻ってくると少女は本を読み始め少年のことをずっと無視したままだった。