私は、本田夏。
元気だけがとりえの女の子だ。
私には誰にも言えていないことがある。
秘密があるんだ。

それは…。
『魁が好き』という事。

魁とはずーっとずーっと一緒だったから
好きなんて言っても信じてくれないだろうな。
こんなにこんなに好きなのに。
目が合うだけで嬉しくて…緊張して…。

そんなある日。

「あのっ…。夏ちょっといいかな?」
それは有輝くんだった。
有輝くんはクラスでも人気の
元気のいいハキハキした男の子。

「俺、夏が好きになっちゃったみたいなんだ。付き合ってくれないか?」

最初は意味が理解出来なかった。
有輝くんみたいな男の子が
私なんかのこと好きだなんて…。

「え。あ、ありがとう。ちょっと考えてもいいかな?」

嬉しいけど…魁が好きだし。。

私は凛に相談した。
「有輝くんに告白されたんだけど…。
どうしたらいいかな?凛。」

「いいんじゃないの?夏にお似合い!」

凛はあっさり賛成してくれた。
そりゃそうだよね。
私が魁のこと好きって知らないもんね。


凛のすすめもあって私は有輝くんと
付き合うことにした。

‘ホントは魁が好き’だなんて
もう言い出せない。諦めよう。
そう思い始めていた。