中を覗いた瞬間、
「…勝手に開けんじゃねぇ。入るときはノックしろ。」
と、部屋の真ん中に置いてあるガラステーブルに肘をつきながら言ってきた。
「くろっあ、カイ…?」
ついうっかり黒崎と言いそうになったのを、すんでのとこで堪える。
するとカイは立ち上がり、おもむろに近づいてきた。
私の前まで来た瞬間、手に持っていた荷物を取られた。
そしてもう片方の手で私の長い髪を優しく指に絡ませる…。
その仕草に思わずドキッとしてしまった私…。
私の髪を口元に持ってきたとき
「…黒崎って言えばよかったのに。」
口角を上げてニヤッと意地悪く笑うカイに、赤面してしまう…。
い、今のは反則!
かっこよすぎるよ…。