真夏の太陽の日差しを浴びながら、私は『富山薬局』へと足を向かわせた。

「こんにちわー」

ガラガラと引き戸を開けてあいさつをすると、
「あら、麻子ちゃんじゃない」

水色のヘアバンドと白衣を身につけている彼女は、お孫さんの富山美森(トヤマミモリ)ちゃんだ。

美森ちゃんは、星野さんと同い年の女性だ。

「久しぶりー、おばあちゃんは?」

店内を見回しながら聞いた私に、
「おばあちゃん、『中川医院』に行ってる。

健康診断があるんだって」

美森ちゃんが答えた。

『中川医院』とはこの横町で経営している病院の名前だ。