目覚まし時計に視線を向けると、12時を過ぎたところだった。

もうお昼か。

「まだ…」

呟くように言った私に、
「朝に炊いたご飯、まだ残っているんだろ?

たまごかけご飯にして食べるから、まだ休んでなよ」

お父さんが言った。

「うん、ごめんね」

私はお父さんに謝ると、躰を起こした。

「今から富山のおばあちゃんのところに行って薬もらってくる」

そう言って財布を持った私に、
「1人で大丈夫か?」

お父さんが聞いた。

「すぐ近くだし、大丈夫よ」

私はお父さんに笑いかけると、自室を出た。