甘いキスから 深いキスに変わってゆく。 あたしに触れる彼の手は 少しあつく感じた。 『俺、今日やばいかも、』 「んっ……?」 『や、なんでも、ない、』 余裕のない彼の表情に あたしは少しだけ嬉しかった。 あたしと重なり合うことで 彼が満たされるのならば それが極上の幸せに思えた。 言葉なんて要らなかった。 肌が重なり合えば キスをすれば それだけで充分だった。