「はい。ふらっと散歩に出て行ったっきり帰って来なくて……って知ってますよね」


(残留思念だかリネンだかを読めるんだもんね)


「いや、そうなのか?残留思念はなかなか昔のものは残らないからなー」

六はハハーと笑っているらしいが……

(怖っ!歪んでるよ!笑ってるように見えないよっ!)


「とにかくだ。依頼は請ける。希少種の三毛猫……ふふん、楽しめるかな?」


六は自己快楽主義のようだ。


多分世界を『楽しい』か『楽しくない』でしかみてないんだろう。

あるいは『関心』、『無関心』?


結局はただの猫探しなんだけど……『関心』のようなので、あえて言わずにおいてみることにした、私。