ふくよかな胸元を大きくはだけた真っ白なYシャツに、スラッと伸びる足にフィットする黒のパンツ。

と、なぜかオシャレなサンダル。


背中まで伸びる髪は、頭の後ろで結ってポニーテールにしていた。


みきりさんは冗談抜きで、女性視点から見てもむちゃくちゃキレーな人だ。


「そーいえば君らは何でここに?」


彼女のいた場所は廃工場の一角。


普通こんな所に(こんな馬鹿暑い日に)用事で来る人間はいない。


「お前と一緒な筈だぜ?だが……お前がここにいるって事は、この《ただの猫》探し、国のお偉いさん方まで関係してやがんのか」


「いくらあなたでもそこから先は機密事項よ。でも、ただの《三毛猫》探しじゃ済まないかもね」


チラリ。


六を横目で見ると、眉間のしわはそのままだったが、口元がやけに緩んでいる。


にやけ顔に見えないのが残念だったけど。