5時間目が終わると、案の定真の周りには人だかりができた。

「ねぇねぇ~。真ってさ~イケメンだよねぇ」

「・・・どうも」

涼花の着飾った言葉に、ちょっと苛つきながら答えていた。

「真は、どっから来たのぉ?」

「・・・北海道だけど。」

「うっそぉ~!めちゃくちゃ寒いトコじゃーん!」

「・・・そうでもない」

「えーー!真すごぉーい!」

真は涼花達とのやりとりに面倒くさくなったのか、ため息をつくと読んでいた本を閉じて席を立った。

「真ぉ~?どこ行くのぉ?」

「・・・・・お前には関係無い」

「ひっどぉい~」

バン

真は教室を出て行った。


「ねぇねぇ、真君ってイケメンだよね~」

やりとりを見ていた真希が、夏帆に話しかける。

『ごめん、今、本読んでるから』

「夏帆つめたいー」