もちろん、夏帆は興味なしだが。

「ねぇねぇ。夏帆!転校生だって!男子かな~!」


ミーハーの真希が後ろを振り返って話しかけてくる。

「・・・・・興味ない」

「ま、夏帆はそうだと思った。」

真希はニコリと笑うと、再び前を向いた。

「はーい。静かにしろ~」

上坂の声でやっと静かになる。

「よし!入ってきていいぞ」


ガラララ


上坂の言葉で、ドアから入ってきた転校生は、ツカツカと教壇まで行きぺコリと礼をした。

「藤田 真(フジタ マコト)です。よろしく。」


真はぶっきらぼうに言い放つと、再び礼をした。

「わぁ~イケメーン!」

真の整った顔立ちに、教室中がざわめく

「しずかにしろぉ~。えーっと、藤田の席は・・・江戸川の隣だな!」

上坂は窓際の一番前、つまり江戸川那智(エドガワ ナチ)の隣を指差した。

真はその席に座るなり、本を読み始めた。