ガヤガヤ


「お前、俺の筆箱とっただろ~!」

ワハハハハ


夏帆と真希のクラスは2-2で、他のクラスよりもうるさいクラスだった。

『今日も、うるさいね』

今日までワイワイとにぎわう教室の前で、2人は呆れる。

こんなにもうるさいと、入りたくなくなってしまう。

真希はため息をつくと、足早に自分の席へ向かった。

真希に続いて夏帆も動く。



「でしょ~!マジウケル~」

このクラスのボス、神宮寺涼花(ジングウジ スズカ)が大声ではなしている。

涼花の周りには、女子が数名集まっている。男子も若干2名いて、話が盛り上がっていた。

ガラララ


「お前らー席に着けー」

ドアから担任の上坂が入ってきて、涼花の群衆に声をかける。

涼花の群衆は えー としぶしぶ自分の席についた。

やっと教室が静かになったところで、上坂の声が響く。

「これから転校生の紹介をするー。皆、仲良くやれよー」

適当な上坂の言葉に、教室中がざわめく。


「ウッソー!今頃ー?珍しー!」

ここでも涼花の声がよく通る。