ー数秒後、
「…でもさぁ」
視線を外した夢がポツリ。
右手で自慢の長い天パの髪を触りながら。
それを見て、私も自分の髪に自然と手を伸ばす。
金髪より目立つ白色のロングヘアー。
今はコテで緩く髪を巻いている。巻くのには結構時間が掛かるから、時々夢の天パが羨ましいって思う時があったり。
「…ーなんて、びっくりだよ」
『え?なんて?』
「…ちょっと。
話し聞いてなかったでしょお。」
『うっ、ごめん。』
今度は私が睨まれる。
逃げるように視線を外すと、ポコッと頭を軽く叩かれた。
ちょっとだけ痛い。
「…だからぁ、まさかちのが、あたしが通う桜咲高校に"転校"してくるなんて、びっくりだよ!!」
『あぁ、それね。ちのもびっくりした』
「その割にはあっさりしてるよね」
『これでもめっちゃびっくりしたのー』
だって、やっとクラスの子達と仲良くなれてきたところだったのに。
変なタイミングでいきなり転校とか言われるんだもん。
ほええええ!?!?って感じだっての。
ねぇ?