「もー、これゲットするの大変だったんだからー」
『ちのに言われても』
頬を膨らませる夢に、冷たい視線を向ける。
ただの写真じゃんか。
表情越しに、私の思ってることがわかったのか、夢は口を開いて説明する。
「む。あのね、この5人は、なんと!この辺りで一番力を持ってる不良チームの中心メンバーなの」
『不良チーム?』
「そう!姿を見ることも滅多にできなくてねー、知り合いの知り合いの知り合いの、この人達とお友達のある人物からこの写真を500円で買ったんだよ!!」
『…ふぅん』
良く分からないけど返事だけしておく。
不良って危ないんじゃないの?
って言葉は呑み込んで。
「ねっねっ、美形でしょぉ!!?」
『まぁ、うん。
でもちのはあんまりタイプじゃないかも』
「まったくもー、贅沢なんだからぁ」
違うし。そう言って頬を膨らませると、隣の夢も一緒に頬を膨らませた。
なんで真似するの。
キッ!っと睨むが、フイと視線を外されてしまった。
いいもん。ちのは睨み続けるよ。