瞬はあたしから腕をほどいた。


そして砂浜に寝転んだ…



あたしはあの時の言葉が頭を駆け巡る。



『彩羅…お前は小さい頃は何になりたかった?』



あたしの幼い時の夢…



『幼稚園の先生かなぁ…』



『へぇ!初めて聞いた!』


『他にはないのか?』



『ずっと先生になりたかった…だからピアノも習ってたしねっ』あたしは軽く笑いたくもないのに…笑って見せた。



『彩羅似合いそうだなっ。幼稚園の先生…。』



そう言って瞬は寝転んだ両手両足を大の字に広げた。



『瞬…あたしの今の夢は違うからねっ』


消えそうな声…

…なんか悲しかった…。


二人の赤い糸が


切れてしまう気がして…。