「ぜ、全部……最初から今まで聞いてたの?」




顔を隠すのをやめて、すずはその場から俺を見上げるように見てるけど、完全に上目遣い。

おまけに恥ずかしすぎたのか、目がうるうるしてて、もう十分に誘ってるよね、これ。




俺はすずの顔に近づいて、ちゅっと音を立てながらキスをした。




すずは照れてるけど、驚いてはいなくて、寧ろなんか嬉しそう。




「聞いてたよ。今が幸せなんだもんね」




「うぅ……で、でも、嘘じゃないもん」




本当に、いつもすずにはドキドキさせられる。




当の本人はあまりの鈍感さに俺がドキドキしてないとでも思い込んでて、最近では必死にドキドキさせようと頑張ってるみたいだけど、

俺的にはそれをやられると理性ってものがさ……。