「…あっ!朝倉先輩が来る!!」



真尋の視線を辿ると、背が高くて、スラッとした人が教室から出てきた。



「「「「きゃーー!!朝倉先輩〜!!」」」」

「わっ…!」



その瞬間、女子たちは一斉に朝倉先輩の方へ。
その動きに追いつけないあたしは真尋と逸れてしまった。



「真尋…!」



名前を呼んでも、反応はない。
…何処にいるんだろう?

その時、1人の女子が勢いよく打つかって来た。
そして、体勢を崩したあたしは倒れそうになってしまった。



「きゃっ!」



しかし、あたしは倒れなかった。
咄嗟に目を瞑っていたあたしは、ゆっくりと目を開く。



「…大丈夫!?」



あたしを支えてくれていたのは、なんと!
朝倉先輩だった!



「朝倉先輩…!?」

「俺のこと、知ってるんだね」

「あっ、はい!友達から聞いていて…」

「俺、有名人みたいだね。…立てる?」

「あっ、ありがとうございます…!」



朝倉先輩はあたしを起こしてくれた。
…優しい。



「…結奈!?」

「…真尋!」



女子の集団から現れたのは、真尋だった。
…良かったぁ。
真尋は無事だったんだね。



「…結奈ちゃんって言うんだ」

「えっ!?あ、はいっ…」

「あ、あたしは結奈の友人の真尋です!」

「2人とも、よろしくね」



そう言うと、朝倉先輩はニコッと笑った。
…ま、眩しい!
そんな先輩の王子様スマイルにドキッとしてしまった。
…な、なんだろう。
この感じ…