「…それで、お願い事ってなに?」
「…朝倉先輩の教室について来て欲しいの」
「…朝倉先輩?」
朝倉先輩って、何処かで聞いたことあるような…
「結奈、知らないの!?3年A組のサッカー部部長のイケメンだよ!」
「…あぁ!」
…そうだ!思い出した!!
朝倉 優馬先輩。
カッコよくて、スポーツ万能で、頭も良くて、優しくて、モデルみたいな先輩。
女子からすごく人気のある人だよね。
「…あたし、朝倉先輩と少しでも関わりが欲しくて」
「朝倉先輩のこと好きなの?」
「えっ!?ま、まぁ、ちょっと気になるなぁって感じ?」
「それ、好きなんじゃん」
「ちょ、ちょっと!あんまり大きな声で言わないでよー!!」
あたしは余裕のない真尋をからかって笑う。
真尋は焦ってあたしの口を塞ごうとする。
「…でも、なんであたし?」
「だって、結奈可愛いから先輩が気にかけてくれたりするかなぁって思って」
「えー!?でも、先輩って色々な女の子に人気だしあたしより全然可愛い子知ってると思うけど…」
「もう、相変わらず鈍いんだから結奈は。…とにかく、お願い!」
結奈は顔の前で手を合わせる。
そこまで真尋が頼むなら…
「いいよ。ついてくだけだよ?」
「うん!ありがとー!!」
そして、朝倉先輩の教室へ。
教室の前には既にたくさんの女の子たちが集まっていた。
…芸能人みたい。