晃の広い背中。
可愛い襟足。
寝癖が残っている髪。
…ほんと、子供みたい。
あたしは、はねている髪に触れた。
「…結奈?」
「…寝癖、ついてる」
あたしはクスッと笑いながら、寝癖を直してあげる。
「んなもん、気にしてねぇし」
「…ふふっ。晃の髪って癖っ毛だよね」
「知らねぇよ」
…晃ってバカだよね。
自分の髪のことぐらい知ってるでしょ?
あたしは可笑しくって笑っていた。
「なに笑ってんだよ」
「なんでもない!」
あたしは晃の背中にもたれかかった。
晃のにおいがした。
男らしくて、ゴツゴツとした背中。
…こんなこと、晃にしかできない。
だって、幼馴染みだから……