約束の11時半。


看護士の目を盗んで私は屋上に向かった。


♪〜♪♪〜♪〜〜


もういるんだ…



「つぼみっ」


「来た。
 はじめるよ。」


つぼみから手渡されたもの…



「線香…花火っ」


今朝やりたいって言った花火だった。



「小さいけど綺麗よ?
 それにジンクスもあるしね。」


「ジンクス?」


「線香花火の火種が燃え尽きても落ちなかったら願いが叶うってね。」


そうなんだ…。


花火にもそういうのあるんだ。