「つぼみは私の初めての心から信頼出来る友達だから…
 笑っていてほしい。」


「つゆり…」


ふわっと浮き上がったつぼみは海の方へと足を進める。


何か怒らせたかと思って謝ろうとしたとき…



「ありがとう。」


よく耳を澄まさないと聞こえないような小さな声でつぼみはそう呟いた。



「つぼっ…」


「見てつゆり。
 夕日見えるよ。」


目の前ではなくつぼみの視線の先にオレンジ色に輝く日が沈みかけているのが見えた。


ママが言っていた通りの綺麗な夕日が…。