車椅子が勝手に動いてるのは変だから私はダミーでタイヤを回す取っ手に手を置いた。


つぼみが持ってきたウィッグと可愛い洋服を身につけて病室を出た。


病院内の廊下で看護士とすれ違ったけど私と気付くことはなかった。



「ねぇこの服とかどこから持ってきたの?」


さっきから思ってたことを聞くと『秘密』となんともつぼみらしい答えをもらった。



「タイムリミットは先生が来るまでの3時間。」


つぼみの言葉に頷いたけど…


内心では『暗くなるまで帰らない』と決心していた。