「じゃぁ行くよー。本番、ヨーイスタート!」




「莉乃、今までありがとう。もう終わりにしよう。」

「私の事が嫌いになったの?」
このシーンで涙を流さないといけないんだ。
上手くできるかな。

「莉乃の事は好きだよ。だけど、他に好きな子が出来たんだ。」

「そうなんだ...。私、空が大好きだったよ。今までありがとう。そして、その子とお幸せにね。」

ーーポロっ。

「俺も莉乃の事が大好きだった。俺に恋を教えてくれてありがとな。絶対幸せになるから、莉乃も俺よりイイ男見つけろよ?そいつと幸せになれ。莉乃が選んだ男なら絶対幸せになれるよ。」

「空、これからも仲良くしてくれる?」

「莉乃が辛くないんだったらかまわないよ。」

「ありがとう、空。始めは辛いかもしれないけど、これからも仲良くしたいんだ。」

「莉乃…。お前は本当にイイ女だな。」

「ありがとう、空。明日からは友達として接してくれる?それが彼女としての最後のお願い。」

「おう!」

「本当にありがとね。バイバイ。」
走り去る私。

「.....莉乃、幸せになれよ。」
俺は小さくつぶやいた。