その言葉に、松下さんは驚いたように私を見る。
 演技しているようには見えなかった。

「それって偶然?」

「分かりません。でも、誰かが何かをしているのは確実で、永田さんの呪いという噂までたっていて」

「芽衣の呪いか。あいつはそういうことができるような奴なら、良かったんだろうな」

「私もそう思います」

 彼は足を止めると、「近くの公園に入ろう」と提案してきた。

 私は迷ったが、彼の提案を受け入れる。

 松下さんは公園のベンチに腰をおろすと、天を仰いだ。

「それって誰かが芽衣の復讐をしているかもしれないってことだよね」

「そうだと私は思っています。一人、その相手を訴えると息巻いていた人もして、もう大丈夫だと思うけど、不安で」

 私は今までクラスで起こったことを彼に話していた。芽衣に誰がどんな事をしていたのかを含めて。