「何かやばくね?」

 状況を察したのか、席に戻るときに岡部君が私にそう伝えてくる。

 私も彼の言葉に頷いていた。

 気味の悪さはある。だが、犯人が見つかった時、どうなるのだろう。

 私はその結末を想像して、寒気を覚えた。

 放課後、誰の所持品からも桃子の写真と関連性のあるものはでてこない。

「しかたねえ。こうなったら、携帯も確認しようぜ」

 そう伊田君が提案する。

「は? そんなことして、じつはあんたが今までの写真をばらまいた犯人だったんじゃないの?」

 そう羽根田さんが腕を組み、伊田君を一瞥した。

「違うよ。それならわざわざ犯人捜しなんてしない」

「どうだか」

 二人は言い争いを始めてしまった。

「もうやめよう」

 そう言ったのは田岡君だ。
 二人は言い合うのをやめ、田岡君を見る。

「こんなことをしても仕方ないよ。俺は部活があるし、帰るよ」

 そう言い教室を出て行こうとした田岡を他の男子生徒が取り囲み、行く手を阻む。