私はその週末、優香の家に行くことにした。

 ここ最近の事情を説明するためだ。

 私が一部始終を優香に話すと、優香は唇を噛み締めていた。

「明香も来なくなったのか。私が学校に戻っても、居場所はないだろうね」

「正直、そう思うよ」

 私は関わってしまった手前、彼女に経過報告だけはしている。

だが、彼女がクラスに戻ってきたとき、庇えるかといえばそれは別だった。

もうあんなことがクラスで起こってほしくないとは思っている。

それでも芽衣のことが頭を過ぎり、どこかで距離をとってしまうかもしれない。明香が一因だと分かっていてもだ。


 恐らく私達がしている事も広義のいじめなんだろう。

「どうしてあんなことをしてしまったのか分からない。確かに明香が怖かったのもあるけど、ああいう風に乗せられると良し悪しの分別がつかなくなってしまっていた。楽しかったんだよね。今から思うとぞっとするけど。まるで自分じゃないみたい」


 優香は両手を顔で覆うと泣き出してしまった。