その女性が古賀と書かれた家に入っていく写真だ。
　この古賀が明香の家であったとしたなら、私の疑念が確信に変わる。
　あれは明香の関係者だったのだ、と。

　明香の家を知っていて、不用意に騒ぎ立てない人。
　まずは優香に聞いてみるべきだろうか。

　そのとき、クラスの扉があき、物理の先生が入ってきた。
　私は慌てて手にしていた写真を胸に抱き、隠す。

「竹下、何やっているんだ？」
「なんでもないです」

　そういうと、慌てて自分の席に戻った。

　だが、物理の時間が終わると、馬場さんと村田さんが私の机までやってきた。
　彼女たちは期待に満ちた目で私を見る。

「さっき、掲示板で何を剥がしていたの？　写真っぽかったけど」

　二人はあの芽衣の写真に関係があると考えたのだろう。

「なんでもないよ」

　そういうが、馬場さんは私の引き出しをのぞき込んできた。