席に戻るとまだ岡部君の姿があった。

「何だったんだ?」
「芽衣の家の写真を写したものがあったの」
「何だ、それ」
「よくわからない」

 芽衣の家に入っていく、あの女性を写したかったのだろうか。
 もし、置いてある場所に意味を持たせるとしたら、依頼者、もしくは発端となったもの。

 だが、明香やその友人たちのロッカーにはそれらしきものは何もない。

 私の脳裏に、芽衣の母親が言っていたことを思い出したのだ。

 正岡先生に尋ね、あの女性が来た、と。

 だが、もうこの教室には正岡先生のものは残っていないはずだ。

 それでも教室内を見渡す。

 おそらく今までのやり口だと私たちが見つけられる場所にあるはずだ。

 そして、教室の黒板の隣にある連絡事項を記したプリントなどが張られている掲示板が目にはいった。

 私は再び席を立つと、前方の掲示板に手を触れた。
 そして、プリント群の下に、印刷された写真を見つける。