「どう? 分かりそう?」

 顔をあげると岡部君が立っていた。

 私は肩をすくめる。

「意外にも俺ってその件にかなりの数で関わっているよな。鍵もだし、放課後もだし」

 彼はあえてはっきり断言せずに告げる。他の人に聞かれても問題ないように言葉を選んでいるのだ。

「そうだね。でも、他にも何人かいるよね」

 だが、それに意味があるのか、偶然かも分からない。

「これって、永田さんの家だよね」

 私の耳にそんな声が届く。 

 声の主は村田さんだ。彼女は教室の後方にあるロッカーで、何かをじっと見ていた。

 その隣には彼女と仲の良いクラスメイトがいる。

「そうなの? 私、見たことない」

 私は岡部君に断ると、村田さんのところまで行く。

「どうかしたの?」

 私はその写真を覗き込み、思わず顔を引きつらせた。

 それが芽衣の家だったのは分かる。だが、問題はそこではない。