暫くすると二人は小柄な女の子を連れてきた。




近所に住む佐々木遥香（ささきはるか）ちゃんだ。




遥香ちゃんは一つ後輩の１年生で、小さいときから仲良しだった子だ。



「遥香ちゃん」


「あっ、柚衣ちゃん」


「なんか久しぶりだね」


「そうですよ。小学校の時はよく遊んでくれたのに、この頃全然遊んでくれないじゃないですか」


「ごめん、ごめんw。何かと忙しくて」



私は苦笑いしながら言う。





「ところで今日は何があるんですか？」




それを聞くと私は沙耶ちゃんの耳元で囁いた。




「何も言ってないの？」


「当然。言ったら相手の反応みられないじゃん。身構えられても困るし」

でも、いいのかな？


「本当に大丈夫？」


「大丈夫！　それに相手が女の子だったら『好き』って言っても誤解を受ける心配はないでしょ!」


「そうかな？」

沙耶ちゃんは私の言葉も気に止めず遥香ちゃんを壁のところまで連れて行った。