次の日、私は沙耶ちゃんの手際の良さに驚いた。




さっさと空き教室をみつけ、放課後呼び出す手配までしてきたのだ。




「これで完璧」


「私は不安だよ」


「やっぱり練習は必要だね」




沙耶ちゃんは計画表にさらさらとメモをする。




「昼休みに練習しよう」


「誰で練習するの?」


「そうだね。昼休みまでに考えておく」


「誰で練習しても、誤解されそうで怖いな」


「大丈夫。誤解されない人にすればいいじゃん」



沙耶ちゃんは自信満々に答える。






・・・そして昼休み。




「じゃあ、あたしたちが練習台を連れてくるからこの部屋で待ってて」


「いったい誰を連れてくるの?」


「それはお楽しみ」


「お願いだから怖そうな人はやめてね」


「大丈夫、大丈夫」



と言いながら二人は教室から出て行った。