「大丈夫。見つかるのならこの段階でアウトだよ」


「そうだね」


「じゃあ、行こう!」


「ああ」



私は草壁君と店を出た。





そしてさりげなく琉生と野乃葉ちゃんがいる喫茶店の前を通ることにした。






草壁君が琉生を見つけてくれますように。






私は喫茶店のウインドーの所に来るとわざとスピードを落とす。




「あっ!」


「どうしたの?」



思わず喜んでしまいそうになる私。




「あそこに座って話しているのって中園君と野乃葉ちゃんじゃない?」


「あっ、本当だ」



やや棒読み台詞になりながらも私が答える。