「お待たせ」



草壁君がさわやかな笑顔で現れた。



「あれ? 柚衣ちゃん? 今日はデートじゃないの?」


「ごめんなさい。私じゃないの? それから沙耶ちゃんは少し遅れるって」


「すると野乃葉ちゃんが中園君とデート?」




なんだ。名前で呼んでくれるのって私だけじゃないのか。



「ええ、まあ」


「どうして、こうなったの?」


「野乃葉ちゃんの思いが強くって・・・」


「そっか。人間関係って難しいね」






私は草壁君とデートの方がいいんだけど。