家の中に入ると草壁君がいた。




「ようこそ。どうしたんだい? 突然」


「ちょっとお話がしたくて」


沙耶ちゃんはやや小さめの声で言う。



「お客さんを第7応接室へ案内して」






私たちは執事さんに案内されて大きな部屋へ入った。






「うわー、大きなソファー」

「好きなところに座って」

「すごい! 野球の賞状とミニチュアのグローブがいっぱい。銀色に銅色か」


「残念ながら金色はまだないんだ」


「別に嫌味で言ったんじゃないよ」




沙耶ちゃんは気まずそうに言う。






私と野乃葉ちゃんはあっけにとられて何も言えない。