「お待たせ〜」



沙耶ちゃんは明るい声で言うが。




「お待たせ〜」



野乃葉ちゃんは小さな声で言った。






「やっぱり春野じゃねえか!」


「わたしじゃ〜、不満〜?」


「いや、そういうわけじゃねえけど」


「あっ、店員さん〜、ブラックコーヒーください〜」


「お前そんなの飲めるのかよ!」


「沙耶ちゃん、遊んじゃダメだよ」


「ふふふ・・・」



沙耶ちゃんが静かに笑う。






「ふふふ・・・」


「笑ってるってことは大丈夫なのか」


「これはいい女の〜、たしなみよ〜」


「お前本当に春野か?」