沖田視点

雪乃さんと別れた後、平助が話を切り出してきた。

「総司にしては珍しいね。

女の子を気にするなんて。」

「……うるさいなぁ、別にいいでしょ?」

平助に言われるとムカつくよね。

元々、女の子って好きじゃないんだ。

だって…ねぇ。

俺には刀と近藤さんがあれば生きていけるし。

むしろ、下手に女の子と関わって怪我させたりするほうが厄介。

だから、女の子とはあんまり関わらないようにしていたんだけど…ね。



あの子はちょっと違った。



雪を連想させるような白い髪、

純粋な輝きを持つ紅い瞳、

その瞳の中にある、深い深い闇、


そして、まっすぐな、


どこまでもまっすぐ自分を見てくれる眼差し。


とてつもなく、惹かれたんだ。

その、歳の割には合わないその眼差しに。


気になった。

その闇の根源が。


だから…ね、ついつい、誘ったり、一緒にいてみたりした。



…………ちょっと迷惑って顔されたけど。


今日だって雪乃さんを送りたかったんだけどなぁ…

ここの空気読んでくれない平助のせいですぐ帰ることになっちゃったよ。

ほんと、空気読んでよね。


「なぁ、俺、散々言われてる気がするんだけど、気のせいか?」

「………………うん、きっとそうだよ。」

「なんか、間がなかった?!ねぇ?!総司?!」


う〜ん、うるさいね。

気にしないでおこうか。



……少し気になったのは、あの、男の子。


『皐月』って言ったっけ。

雪乃さんよりも深い闇。

そして、驚異的な執着。

雪乃さんに対する独占欲と執着は、もはや、病的だ。



『雪乃は俺のものなんです。』

『ずっと、ずーっと…』

『今までもこれからも……です。』

『だから、貴方のような人…』




『 じ ゃ ま な ん で す よ ?』





「……邪魔なのは、こっちですよ……」




苛立ちに任せて心の中を吐き出す。

あぁ、きっと、彼が……

彼は、闇の1部だろう…

本当に、腹立たしい。






…………消えて……くれないかな………?