「じゃあすぐに作るから適当に待ってて。」
そう言うとパソコンをいったん閉じてキッチンに向かった。
「冷蔵庫にあるの適当に使っていいだろ?」
「もはや把握してるの夏惟だろ?適当に使っていいから」
そう会話をすると冷蔵庫の中を見てなにか考える夏惟。
ソファーを占領している岳人をどけて座ると隣に拓哉も座ってきた。
「お昼食べ終わったら、旅行の予定を決めようか?」
「うん‼」
遥香が目を輝かせて言うのを見てうれしそうに微笑む拓哉。
テレビを見ながら拓哉が話しかけてくる
「はるはどこ方面とかがいいとか希望あるの?」
「うーん、温泉って言われたらよく聞く場所しか分からないから希望って言われたらないかなー。」
「あるならそこの方面で探そうと思ってたんだけど、じゃあ色々見ながら決めようか。」
そんな話をしているといい香りがしてきた。
「お待たせ。」
そんな声とともに運ばれてきたのは
「美味しそう~」
テーブルに並ぶのは炒飯、麻婆豆腐、卵スープと言った
”軽く作る”のクオリティではないものが並んでいた。
「本当は餃子も作りたかったんだけど、流石に餃子の皮まではなかったからこれで勘弁してね」
「いやいや、十分すぎるお昼ご飯です。ありがとう!」