「あぁー納得。」

「なにが?」

「いや、殴り飛ばされた時に背中に何かが何かに当たってワイシャツが破けた音はしたんだけどすっかり忘れてたわ」
はははっと笑う風翔だが

「いやいや、ワイシャツ破けるの感じたんなら痛みだって気付かなかったの!?」

「うーんたぶん?アドレナリンで喧嘩中ってそんなに痛み感じなんだよね僕。」

開いた口がふさがらないとはこの事....。
無言で手当てを始めると

「え?引いてる!?やめてよ~僕サイボーグとかじゃないからね‼」
必死に否定する風翔が可愛くて思わずクスっと笑ってしまった。

「え?ねぇ、笑う所あった?」
後ろを振り返りながら聞いてくるので

「ないない、はい前向いて」
その後もブーブー言う風翔だったが前を向いていてくれたのでよしとしよう。
私が風翔の手当てをやり終わった後、夏惟か岳人の手当てをしようと思ったのだが
2人はもう終えたようで私服に着替えるところだった。

病院行になるような傷はなく無事、4人が帰ってきてくれた。

「無事に帰ってきてくれてありがとう。」
4人の目を見ながら言う。

「別にお前の為って訳じゃねーし」
「調子よかったら傷なんて作らなかったけどね!」
「遥香も無事でよかった。」
「はるとの”約束”守りたかったからね」